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第28話 “ほっとするおいしさ”を。

2019/06/04

眠りが浅いのか、何度も目が覚めてしまう。
明日から新商品の製造が始まる。
「ようやく!」という安堵と、「大丈夫だろうか?」という不安が交差する。
大丈夫!自分に言い聞かせる。
プレ試作を合わせると、20回にも及ぶ試作を繰り返して来たのだから。
やれることは全てやったはず。

前号で紹介した“イタリア×日本の伝統コラボ商品”
その挑戦は8ヶ月間に及んだ。
それは、イタリアの伝統菓子“ビスコッティ”とのコラボ。
“お米で作ったビスコッティ”
その名も「Risocotti(リゾコッティ)
Riso(お米)×Biscotti(ビスコッティ)を掛け合わせた造語だ。

お米はもち玄米をつかい、生地にはアーモンドをたっぷりとつき込み、
ピーナッツを隠し味に加える。
冷却して固めた生地をスライスして、乾燥した後、じっくりと焼きあげる。

リゾコッティの開発テーマは、“ほっとするおいしさ”。
忙しい毎日の中で何度もこぼれる“ふうーっ”…
例えば、朝食を済ませて、せわしなく家族を送り出して…“ふうーっ”
長い会議が終わってクタクタ、自分の机に資料を置いて…“ふうーっ”
そんなとき、次の家事や仕事を始める前に、
ほんの5分間でいいからおいしいコーヒー+ザクッザクッ(おかきの食感)で
“ほっ”の時間をつくりたい。
元気がわいてくる…“ほっとするおいしさ”を。

思い描いた中身のプランは、ちょっとしっかりめの食感。
素材の味をかみしめながら、頭もココロもスッキリさせたいから。
瞬時に感じて消えてしまう味ではなく、
玄米とナッツの香ばしさ、ほのかな甘みとコク、
ソルティなバター風味がゆったりと広がっていく。
それが“ほっとするおいしさ”の実現。

そんなむずかしいリクエストに真っ向から応えてくれのは、製造担当者たち。
“餅生地づくり”では、ナッツの選定、大きさや餅につきこむ量…いろいろ試した。
“切断・乾燥”では、食感に影響を与える生地の厚みや水分を飛ばす調整。
そして仕あげの“焼き・味つけ”では、理想的なしっかりめの食感と
玄米やナッツの香ばしさ、それを引き立てる味つけ。

これらの条件をひとつずつ変えながら試作を繰り返しているうちに、
あっという間に、こんなにも時間が経ってしまった。
アドバイザーであり理解者でもある工場の責任者は、いつも傍で全力を注いでくれた。
さらに「今日も試作ですか?」「調子はどうですか?」と、
工場に行くたびにたくさんの応援エールを送ってくれた工場の仲間たち。

とうとう迎えた初回生産の当日、「いよいよ、本番だ!」
ここは、私の大好きな場所。焼き釜の出口。
整列された生地がゆっくりと近づいてくるのを待ちわびる、“ほんの数分間…”
出口の前で担当者と一緒に、無言でじーっと釜の中を覗く。
「来た来た!」「どんな?」たまらなく、緊張する瞬間だ。
まるで恋人を待つ、待ち合わせ場所にいるような…
ここは、ワクワク&ドキドキの特等席なのだ。

「生地の焼き色OK!」「生地の膨らみ具合も良さそう!」「豆も焦げていない!」
ここは、誰よりも先に試食ができる特等席でもある。
焼きたてのリゾコッティ、まだ熱々…早く口に運びたい。
「これ、おいしい!」と担当者と一緒に自画自賛。
よっしゃー!

発売は6月5日。そう明日!
全ての準備は整った。
あとは、お客様におすすめするだけ。

玄米やナッツの香ばしさは、深煎りのコーヒーと相性が良い。
コーヒーとリゾコッティで過ごす、ほんの5分のコーヒータイムを!