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第5話 黒ダイヤと呼ばれる丹波黒豆。

2017/12/20

 

今年も残すところ、あと10日。
毎年、1年の締めくくりの大仕事はおせち料理。

中でも1番気合が入るのは “黒豆” の煮豆。
新しい年を迎える祝いの膳だから、ちょっと贅沢に大粒の丹波黒を使ってみる。

なぜ、おせちに黒豆が入っているのだろう?
どうやら、おせちには無病息災、子孫繁栄、五穀豊饒の三つの願いが込められているらしい。
黒豆は良質のタンパク質や、黒のチカラ(アントシアニン)がたっぷり含まれている
体にいい食材であることから “マメに達者で” と無病息災の願いが込められていると読んだことがある。

大粒の丹波黒を使うのだから、料亭の煮豆のように “ふっくらと艶やか”に仕あげたい。
煮豆づくりにはかなり大量の砂糖を使う。
この濃い砂糖水が、どうやら豆の中の水分を奪い、豆を脱水症状にしてしまうらしい。
しぼんだ豆の内側は縮んでしまうが、外の皮は伸びた状態のまま。
隙間ができて、豆の表面にシワができる。
更に、縮んだ豆には砂糖が浸み込みにくくなり、硬くなってしまう。
それを防ぐために、砂糖の “糖度” を高くし過ぎないように 初めから砂糖を入れて煮たり、
途中 “びっくり” 水を加えるなどの工夫がなされている。
そう、憧れの “ふっくら艶やか” には、手間ひまが欠かせないようだ。

ふむふむと、わかったような気になり、腕まくりをしてツヤツヤをめざして煮豆づくりを始める。
そして、少し醤油を効かせた我が家の黒豆は新年の祝賀の席の名脇役として毎年並ぶ。

なぜ、黒豆づくりにチカラが入るのかというと、私の1番好きなおかきは “黒豆おかき” だから。
10年くらい前に、工場のおかき職人たちと 様々な黒豆おかきの食べ比べを行った。
その結果、見た目は残念ながらNO.1ではなかった。
豆が抜けている!これはいかん!
しかし、味では他社のはあまり黒豆の風味や味がせず、上掛けの調味料のうま味で
おいしさを表現しているものが多かった。
全員一致で 「よーし!黒豆の濃厚な味で勝負だ!」 と新しい黒豆おかきのゴールが決まった。
「見た目ももっと良くしよう。」

黒豆の原料は、あえて大粒の丹波の “黒豆” を使うことにした。更に、豆を既存より10%以上
増量することにした。
予想的中、大粒&増量が豆抜けや壊れのさらなる原因となり、改善どころか事態は悪化した。
この時にヒントをくれたのが、煮豆づくりだった。

そして、私たちは生の黒豆の下加工方法を幾度も試してみた。
・水に浸ける時間を変えてみる。
・豆を加熱する時間を変えてみる。

おかき職人のひと言で “太巻き製法” が編み出された。
黒豆入りの内餅の周りに白餅を巻く。太巻の海苔巻の要領で。
このひと手間をかけることで、おかきの生地の周りの豆抜けを防ぐことができた。

こうして100回を超える試作を繰り返し、できあがったのが現在の

桐乃坂中央軒の“丹波黒豆おかき”

である。

残念なことに、工場では大量の壊れがまだ発生している。
これからも、まだまだ進化し続けていく。

ただこれだけは言える、
丹波黒豆がたっぷりと入っていて嬉しい。
おかきの“ざくっ、ざくっ” の合間に所々、黒豆が顔をだす。
噛みしめると黒豆の甘み、コクが口中に広がり、米の香味と重なり合う。
やっぱり、丹羽黒豆おかきはおいしいと自慢できる。

“黒ダイヤ”とも呼ばれる丹波黒豆。
私たちは日本一の輝きを放つ黒ダイヤをめざして、2018年もおかきづくりに挑み続ける!