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第15話 フリフリ、贈り物。

2018/06/25

贈り物。
そこにはいくつものワクワクする瞬間が詰まっている。

いただき物を手に持った瞬間、
包み紙を広げた瞬間、
フタを開けた瞬間、
個装を手に取り開封する瞬間、
そして、食べる瞬間。

どの瞬間も、さりげないできごと。
でも実は、そのひとつひとつを私たちはとても楽しんでいるのではないか。

どなたからだろう!
この重さ、中身は何だろう!
わあ、きれいな包み紙!
しっかりした箱ね!
個装もきれいに並べられている!デザインも素敵!
中身のお菓子も可愛いなあ!

そして…!これ、おいしい!

こんな数々の瞬間を通して、
「素敵な贈り物を、ありがとう。」という気持ちになるのだ。

とある日の社内。
必死に箱を“フリフリ”する開発担当者の姿があった。
上下、左右、斜め、とにかく思いっきり箱を、フリフリ!フリフリ!
遊んでいるわけではない。
これはおかきを詰合せる化粧箱のサイズを決める際に必要な、大切なテスト作業なのだ。

これでもかというぐらいフリフリを終えると、恐る恐る化粧箱のフタを開ける。
ここが運命のわかれ道。
並べられていた商品がズレていたり、片側によっていたらアウト…!
箱の設計がうまくてきていないということなのだ。ふう〜。
仕切りの間隔がダメなのか?箱のサイズが合っていないのか?
お客様のお持ち歩きを考えると、このくらいの動きには当たり前に耐えなければならない。
フリフリは、もう何十年間も行ってきた中央軒流のテスト方法なのだ。

中身がおかきとなると、大変。
そう!おかきはいつも同じ形をしていないからだ。
あれ、今日のおかきは試作の時よりも膨らんでいる?
化粧箱の設計は“気ままに膨らむおかき”のことを考慮しなくてはならない。
しかも、フタが閉まらなくては話にならない!商品がズレてもいけない!
そ、そんな~!
いや!切り抜けてみせましょう!
相反する課題を解決するのがプロフェッショナルだもの。

もちろん、おかきづくりには決められた温度や時間のルールがある。
毎回生地の水分値もしっかり計っている。
しかし、ひとつとして同じ形に膨らむことはない。
天候によるもち米の出来栄えや、乾燥度合いも大きく影響する。
米の蒸し、練り加減、冷蔵庫での固まり具合、切断の厚み、乾燥の度合い、長い焼き釜の火加減…
製造工程の多いおかきづくりだからこそ、より難易度が高まるのだろう。
全ての工程で、おかき職人は仕上がり具合を見ながら細やかな調整をする。
焼いたり揚げたりを“型”にはめてできれば、一定になるのに…と心の中で思いながら。

でも、おかきづくりはこの自由奔放さがいいのだ。
ひと手間かかる苦労、みんな違った顔、それが可愛い。と、私は思う。

…なんて、そんな呑気なことを言っていたら、化粧箱の設計担当者に怒られてしまう。
とは言え、難しいからこそやり甲斐につながるってことはあると思う。

贈り物のフタを開けるあの瞬間は、誰もがとてもワクワクする。
フリフリ、フリフリ、これからも楽しい瞬間をたくさん振りまいていきたい!