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第9話 桜色の絨毯 (じゅうたん)

2018/04/18

第8話のつづき…

漁の翌朝、富士川河川敷。
獲れたての桜えびを人手で一面に敷き詰めていく。
河川敷はとてつもなく広く、気の遠くなるような作業だった。
朝7時頃からお昼まで、天日で一気に桜えびを干す。
太陽の恵みをいっぱい浴びることで旨みが凝縮されるのだ。

そういえば!おもしろいものを見せてもらった。
桜えびの長~いヒゲ。4~5cmの体長に対してヒゲは20cmもある。
このヒゲにも実は旨みが隠されているとのことで、パウダー状にして使用されるらしい。

先ほどまで曇っていて見えなかった富士山が、いつのまにか背後に姿を現していた。
目の前には、“桜色の絨毯”がどこまでも広がっている。
富士山と桜色の絨毯のコラボレーションは写真では見たことがあったが、
実際に目の当たりにすると、名峰の迫力と桜えびの儚さが絵になっており、
声にならないほど見事な光景だった。

天日干しされた桜えびえを噛みしめると、ふくよかな旨み、甘味、塩味が
そのちっちゃな体にぎゅうーっと詰まっていて、とても贅沢な味わいだ。
これは漁師さんの苦労と愛情の賜物であり、そして、海の幸・太陽の恵み・自然の成せる技。

今夜は、桜えびをふんだんに使ったお好み焼きでも食べようか。